政治の素人ですが、安倍政権について思うことをつらつら書きます。
私はわりと安倍政権を評価しています。そもそも厳しい外部環境の中、長期政権を実現したこと自体が成果だと思ってます。船出の折、政治面では、小泉政権後の短期政権の連続に国民が失望し、政権交代を果たした民主党による政権担当能力の著しい不足で内政の混乱が極まるだけでなく、場当たり的な経済政策で為替もめちゃくちゃでした。経済面では、リーマンショックから長らく脱することができずに、株価と雇用の低迷が極まってしまい、私が過去に CTO を務めた会社も不況に耐えきれずこの折に解散しています。それらを踏まえると、安倍政権は内政に課題が多かったものの、外交、株価、為替の側面で目立った失点がないのは本当にすごいことだと感じます。日本の立て直しこそ出来ませんでしたが、土壇場で踏みとどまった政権だったのだと思います。新聞記事は彼の言うトリクルダウンに懐疑的な目を向けるばかりでしたが、実感としてそれはきちんとあったと思います。
日本は人口が減少して役職に対して人が少ないせいか、普通の人が表舞台に上がる機会が本当に増えました。このこと自体はただの時代の変化ですが、残念なことに、表舞台に上がった普通の人が過去の偉大なリーダーと比較されて、こき下ろされて潰れてしまうことが珍しくありません。私は安倍さんを偉大なリーダーでなく普通の人だと思っています。一般論として、普通の人に過大な期待を寄せるより、民主主義的アプローチで代替案を出す気がないのなら、普通の人がリーダーを張って頑張る姿を尊重して、そのうえで自分に何ができるか考える方が建設的だと思います。
安倍政権と国民（メディア）との関係には、文字通り日本の縮図を感じたものです。次の首相は誰になるのでしょうね。次が短期政権で終わらないことを願うばかりです。
